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読んで印象に残った本などをレビューします。

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    ノート表示(LV2)
アメリカ社会は原則的に政教分離だけれども、それは政治が特定の宗教の便宜を図ることはしない、ということであって、政治と宗教は密接に結びついています。
ユダヤ、キリスト教を中心とした「見えざる国教」が、移民国家であるアメリカの社会と政治を統合している、ということを、様々な例から紹介している本です。

後半は特殊宗派の説明が少し長く、流し読みをしてしまいましたが、前半の、アメリカ建国から歴史上重要な位置を占め続けてきた「宗教」についての説明は大変面白く、歴史の教科書からは読み取れない内容だと思います。
日本も戦後はアメリカの指導のもとに民主化を進めてきた関係上、アメリカの宗教から、間接的に大きな影響を受けていると思いますが、我々は日常あまり意識することはありません。
それはおそらく、欧米に学び、効率的に近代化を進める過程で、キリスト教の影響を徹底して排除してきた為政者の方針によるところが大きいでしょう。
しかし、意図的な分離によって、日本人から世界の歴史、現実を正しく知る機会をもまた奪ってきたのではないか、という気がします。
もしアメリカに宗教がなかった場合、世界はおそらく今とは全然違ったものになっていたのではないか、ということを考えると、その関係を知る意味は大きいと思います。

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