おすすめ本の紹介(sample)
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最近読んだものを中心に、個人的にオススメの本を紹介します。
(最近といってもだいぶ前ですが!本当の最近は本を読めていません)
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日本の課題、経済を考える

自分が読んだ本の中から、日本社会の現状を見渡す上で、手軽で読みやすい、かつ読む価値のあると思う本を挙げてみます。

(オススメポイント等)

  • 日本社会の現状と課題については、
    「強すぎる自民党の病理」「変わった世界 変わらない日本」の2冊で、それぞれ別の角度から日本社会の置かれた現状と課題がコンパクトに読めると思います。

  • 少し掘り下げるなら、
    「金融緩和の罠」で、金融緩和政策の問題を一般人にも分かるレベルで説明してくれています。さらっと読めて直感的に理解できます。
    「シルバー民主主義」では、高齢社会の課題を掘り下げています。問題の分析が丁寧で、信用できますが、少し細かいので流し読みでも十分かもしれません。

  • 自由主義について、
    「隷属への道」は素晴らしく、冷戦から「小さな政府」「新自由主義」思想まで、自由主義経済を支える思想の根っこを掴むことができます。
    自由主義に賛成する/しないに関わらず、議論のスタートラインとして、その主張の根拠を理解することは重要でしょうから、
    現代社会に生きる全ての人の必読書といってもいいのではないかと思います。

  • 日本社会の特質について、
    「日本教の社会学」「空気の研究」で、日本社会特有の社会構造について、宗教的次元での価値観形成まで掘り下げて論じています。
    現在の日本社会が抱えている問題や課題は、仕組みや運用などテクニカルな議論では解決できない、「価値観」レベルの深い部分に根を持っていると思うので、
    抽象的になりがちで難しいけれど、このようなアプローチでの議論は避けて通れないと感じます。

  • 「ワークオブネーションズ」「スウェーデン・パラドックス」は少し分量が多いので読むのが大変ですが、それぞれ読んだ価値はあったと思える本です。
    「ワークオブネーションズ」では経済のグローバル化に伴う労働の変質(水平分業により創造的な仕事の重要性が高まる)と、それによる所得格差の広がりなど、現在も世界で進行している現象の背景を的確に説明しています。80年代に書かれたことが驚きです。
    「スウェーデン・パラドックス」では、高福祉と厳しい競争社会が両立しているスウェーデン社会について書かれています。企業の淘汰は起こるに任せ、再教育や就業支援で人材の移動を促進することで、時代に適した産業への移行を可能にし、高福祉ながら高い経済成長を実現しているスウェーデンのやり方には、学べるところ大ではと思います。(少し細かいので、流し読みで十分かもしれません)
(本文なし)

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戦後からの政治の流れを中心に、日本社会の問題を整理している本です。

現在、「支持政党なし」が半分近くで、自民党一強と言いながらも消極的な支持であり、国民の多くが現在の政治に一種の諦めを感じているのではないかと思います。
世代間の大きな環境の差と不公平、そしてそれを解消する手段を持たない若者世代。
時代にあった舵取り不在のための産業競争力の低下と、それによる長時間労働の慢性化、貧困、格差の拡大。
政治が数の論理でしか動けないとすれば、数において優る高齢者のための社会になってしまうのは避けられません。

現在の日本は「大きな政府」対「小さな政府」といった、ごく当たり前の政策論争すら存在しません。
自民党も民進党も、大きな政府指向であり、方向は違えどバラマキを指向している点では同罪といえます。
なぜこのような社会になってしまったのか。我々に解決への道は与えられているのか。
このような現状に至るまでの流れを書いたのがこの本です。

解決方法は自分たちで考えるしかありませんが、まずは問題の所在と、戦う相手を明確にする意味でも、過去を整理しておくことは重要ではないかと思います。
(本文なし)

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産業構造の変化の観点から、現在の日本社会の問題点を整理しています。

世界は90年代からIT革命により分散型意思決定、水平ネットワークの時代に入っているのに対し、
日本は高度成長期の製造業にこだわり、円安や補助金などで保護してきた結果、産業構造の変化が遅れ、中央集権型意思決定、垂直統合型の社会構造のまま、
IT時代に適した産業が生まれてこないため、低成長が続いている、といった内容です。
野口悠紀雄先生の本は分量が多くて読むのが大変なものが多いのですが、この本はコンパクトに先生の持論を読めるのでオススメします。

社会の構造から変わらないと、次の時代(あらゆるものがデータ化され、共有され、人工知能が牽引する時代)にはついていけないはずで、まさにその通りだと思うのですが、まずはアベノミクスに代表される利益誘導型の政治が変わらなくては、その道筋は見えてきません。

人々の意識がどのようにして変わっていくのか、そこにかかっているのでしょう。
その起爆剤は何になるのでしょうか。技術でしょうか、人の行動でしょうか。

(本文なし)

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最近になってようやく読んだのですが、もっと早く読んでおくべき本だったと思います。

よく言われる「小さな政府」は、一見すると福祉や社会保障が手薄になり、弱者に厳しい社会という負の面が目立ち、そのメリットが直感的には分かりにくいものです。
「新自由主義」もその流れの先にあるものですが、その意味するところ、根拠となる考え方、守ろうとしているものなどを、よく知らずにいました。

小泉改革で行われた「新自由主義」は、その意味では中途半端であり、企業側の都合に立った「小さな政府」だったため、負の側面ばかり(派遣の増加など)の結果となってしまい、「小さな政府」へのアレルギーを拡大させただけ、という意味で、罪の大きいものだったと思います。
(その後は、際限なきバラマキ政治の復活で、泥沼に入り込んでいます)

この本は、サッチャー、レーガンの改革をはじめとした「小さな政府」「新自由主義」の元となる思想であり、平易な言葉で、大きな政府の問題点をわかりやすく指摘しています。大きな政府的な政策を支持するとしても、少なくともこの考え方は踏まえておくべきではないか、と感じさせる、説得力のある文章です。

現代社会に生きる人すべての必読書と言ってもいいのではないかと思います。
(本文なし)

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アベノミクスでは、インフレの期待で経済が上向くという考えを前提としています。
期待を操作することで、確かに株価は上がりました。
しかし短期的な期待に影響されやすい株価は操作できても、実体経済はどうでしょうか。
現在のような需要不足の環境にあって、金融的な手法で、本当に実体経済は上向くのでしょうか?

そのようなカラクリが、経済専攻でもない一般市民にはよくわかりません。
「金融緩和」と言われただけでなにか魔法のような、自分にはよくわからない話と感じ、自分での判断を諦め、思考停止してしまうのではないでしょうか。
「アベノミクス」は、まさにそのような効果を狙ったトリックだと考えています。
(禁じ手の、将来借金からのバラマキで、見た目の経済は水増しされています)

この本では、一般人にはわかりにくい金融緩和の功罪を、現在の社会環境の特殊性などを中心に、シンプルな思考の積み重ねで読み解いています。
教科書的な経済理論が成立した頃の社会は、ピラミッド型人口の社会であり、成長途上で需要が供給を上回っていて、ボトルネックとなっている資金供給を潤沢にすれば生産が拡大し、問題が解決する時代だったのだろうと思います。

しかし前提となる条件は現在では大きく異なっています。
ごく当たり前の推論でも、そのような話は成り立たなそうだな、と感じられるのではないでしょうか。
そのようなところから、現在の金融政策を読み解くヒントを得られる本だと思います。
(本文なし)

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対談形式の本です。

一般的には、無色透明な無宗教社会と考えられている日本社会ですが、実は思考様式、行動様式に「宗教的」な制約が色濃いのだ、というのが両氏の主張です。

確かに、キリスト教の理解に立って日本社会を眺めると、「宗教的」と言っていい次元での風土/文化的規定が行き渡っていると感じられます。
それは、明文化された「宗教」との対比という形で初めて浮かび上がって来るものですが、深いところで我々の生活/行動を決定している「何か」が存在しています。
それをこの本では「日本教」と名付け、一神教社会との対比を通して、様々な角度から論じています。

現在日本の直面する様々な課題、なかなか解決の道筋が見えない問題なども、元を辿れば日本人特有の物の考え方、価値観などに由来しているのだ、ということが、二人の対談を通して、なんとなく見えてくる本になっています。

無くならない新卒一括採用、年功序列型社会、進まない働き方改革、世界最低レベルの女性の社会進出、などなど、なかなか物事が変化しない日本社会ですが、根本にある価値観レベルから見直さないと、なかなか解決の道筋も見えてこないのではないだろうか、と思われますね。
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人口逆ピラミッド社会における、様々な問題を論じている本です。

分析は良心的で丁寧ですが、全部読むのは少し大変かもしれません。(流し読みをオススメします)
問題点の理解は程々にしたいので、流し読み程度でしたが、高齢者に偏った制度、政策がいかに現在の社会に広く浸透しているかがよく分かります。
背景として、有権者数が高齢者に偏っているという構造的問題があるので、解決は容易には見えませんが、まずはこの絶望的な現状を知っておく必要があるでしょう。
まずは問題を問題として正しく認識していなければ何も始まりませんが、現在の日本社会はそれもクリアしていません。
まずは、この辺りの認識を皆で共有するところからなのかもしれませんね。
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この本が80年代のアメリカで書かれたことには衝撃を受けます。
著者の洞察力による部分も大きいとは思うけれど、すでにアメリカにこういう現実があった、ということでしょう。

内容は、経済活動がグローバル化し、労働の水平分業が進んだ結果、先進国の個人は「シンボリックアナリスト」(と本書中で呼んでいる)のような、付加価値/創造性の高い仕事にシフトしていかざるを得ない、といったような話ですが、その必然性を説明する文脈には、経済から教育まで広く言及していて、説得力があります。
本の後半では、労働の変質による格差の拡大や、社会の分断など、まさに現在進行している世界の潮流まで的確に言い当てています。

著者はその後、クリントン政権での労働長官を務めるなどしており、このような考えが実際に政策にも反映されてきたことになります。
その後の、アメリカ経済の強さの発揮と、日本の置いていかれぶりは、このあたりの視点を社会の中にどれだけ組み込むことができたか、といったところも寄与しているのではないでしょうか。

過去20年間で、日本の名目GDPは変わらず、アメリカは約2倍に成長していますね。
アメリカは労働者への分配が極めて薄い社会なので、社会の不満は大きくなっていますが、経済成長自体には大いに成功していると言えます。(成長と分配は個別の問題として考えていいだろうと思います)

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(だいぶ前に読んだ上に、流し読みだったので少しいい加減なレビューになります)

この本の内容は結構印象に残っていて、今でも社会のあり方を考える際の材料になっている気がします。
現在の社会からどういうところを目指したらいいのか、結構なヒントがあると思います。

スェーデンなど北欧の小国は、高福祉で高成長というイメージがあります。(実際にそうですが)
しかし「高福祉」という言葉から我々がイメージするような、単なるバラマキではなく、同時に競争の徹底があるからこそ成功しているというのが、この本を読むとよく分かります。

企業の保護措置などは取らず、競争力が落ちた産業、企業は淘汰するに任せる。
そのかわり、企業、産業間での人の移動がスムーズになるように、職業教育などの様々な仕組みを用意して、企業という「ハコ」でなく、個人を守ることに注力していることがわかります。
言い換えれば、日本においては円安誘導やバラマキで実施している「企業への福祉」を、「個人への福祉」に置き換えれば、自然と高福祉ということになるのかもしれません。
そしてそうすることで、恣意的な利益誘導からルールの徹底した市場となり、不公正な格差や労働慣行の解消、時代に適した産業構造へのスムーズな移行など、資本主義として重要な機能を回復強化できるのではないかと思います。
福祉理念のあり方、対象の捉え方次第で、(同じ財政規模あるいはそれ以下でも)高競争で高福祉な社会というのは実現可能なのかもしれない、と思わせてくれる本でした。

全部読むのは大変ですが、流し読みでも一読の価値はあるのでは、と思います。
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日本を無謀な大戦へと導いた主犯でもあり、
現在も日本社会を重苦しく覆う「空気」なるものの正体に鋭く迫った本です。

一言に要約するなら、日本では欧米社会での「神と個人の一対一関係(絶対性)」に当たるものが無い為、常に流動的な「空気」に支配されてしまうのだ、
といったことになると思いますが、同時に社会における「対象の相対化」が不十分な社会では、対象となる問題自体が絶対化されてしまい、解決できないというジレンマも抱えてしまうことが述べられています。
これはまさに現在の日本の状況を言い当てていると思います。

全体として少し言い回しが難しく、決して読みやすい本では無いため星3としましたが、読み終えれば何かしらの気づきを得られる本ではないかと思います。

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