ザ・ワーク・オブ・ネーションズ
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最近読んだものを中心に、個人的にオススメの本を紹介します。
(最近といってもだいぶ前ですが!本当の最近は本を読めていません)
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この本が80年代のアメリカで書かれたことには衝撃を受けます。
著者の洞察力による部分も大きいとは思うけれど、すでにアメリカにこういう現実があった、ということでしょう。

内容は、経済活動がグローバル化し、労働の水平分業が進んだ結果、先進国の個人は「シンボリックアナリスト」(と本書中で呼んでいる)のような、付加価値/創造性の高い仕事にシフトしていかざるを得ない、といったような話ですが、その必然性を説明する文脈には、経済から教育まで広く言及していて、説得力があります。
本の後半では、労働の変質による格差の拡大や、社会の分断など、まさに現在進行している世界の潮流まで的確に言い当てています。

著者はその後、クリントン政権での労働長官を務めるなどしており、このような考えが実際に政策にも反映されてきたことになります。
その後の、アメリカ経済の強さの発揮と、日本の置いていかれぶりは、このあたりの視点を社会の中にどれだけ組み込むことができたか、といったところも寄与しているのではないでしょうか。

過去20年間で、日本の名目GDPは変わらず、アメリカは約2倍に成長していますね。
アメリカは労働者への分配が極めて薄い社会なので、社会の不満は大きくなっていますが、経済成長自体には大いに成功していると言えます。(成長と分配は個別の問題として考えていいだろうと思います)

(本文なし)

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