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読んで印象に残った本などをレビューします。

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    ノート表示(LV2)
アベノミクスでは、インフレの期待で経済が上向くという考えを前提としています。
期待を操作することで、確かに株価は上がりました。
しかし短期的な期待に影響されやすい株価は操作できても、実体経済はどうでしょうか。
現在のような需要不足の環境にあって、金融的な手法で、本当に実体経済は上向くのでしょうか?

そのようなカラクリが、経済専攻でもない一般市民にはよくわかりません。
「金融緩和」と言われただけでなにか魔法のような、自分にはよくわからない話と感じ、自分での判断を諦め、思考停止してしまうのではないでしょうか。
「アベノミクス」は、まさにそのような効果を狙ったトリックだと考えています。
(禁じ手の、将来借金からのバラマキで、見た目の経済は水増しされています)

この本では、一般人にはわかりにくい金融緩和の功罪を、現在の社会環境の特殊性などを中心に、シンプルな思考の積み重ねで読み解いています。
教科書的な経済理論が成立した頃の社会は、ピラミッド型人口の社会であり、成長途上で需要が供給を上回っていて、ボトルネックとなっている資金供給を潤沢にすれば生産が拡大し、問題が解決する時代だったのだろうと思います。

しかし前提となる条件は現在では大きく異なっています。
ごく当たり前の推論でも、そのような話は成り立たなそうだな、と感じられるのではないでしょうか。
そのようなところから、現在の金融政策を読み解くヒントを得られる本だと思います。

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