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読んで印象に残った本などをレビューします。

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(だいぶ前に読んだ上に、流し読みだったので少しいい加減なレビューになります)

この本の内容は結構印象に残っていて、今でも社会のあり方を考える際の材料になっている気がします。
現在の社会からどういうところを目指したらいいのか、結構なヒントがあると思います。

スェーデンなど北欧の小国は、高福祉で高成長というイメージがあります。(実際にそうですが)
しかし「高福祉」という言葉から我々がイメージするような、単なるバラマキではなく、同時に競争の徹底があるからこそ成功しているというのが、この本を読むとよく分かります。

企業の保護措置などは取らず、競争力が落ちた産業、企業は淘汰するに任せる。
そのかわり、企業、産業間での人の移動がスムーズになるように、職業教育などの様々な仕組みを用意して、企業という「ハコ」でなく、個人を守ることに注力していることがわかります。
言い換えれば、日本においては円安誘導やバラマキで実施している「企業への福祉」を、「個人への福祉」に置き換えれば、自然と高福祉ということになるのかもしれません。
そしてそうすることで、恣意的な利益誘導からルールの徹底した市場となり、不公正な格差や労働慣行の解消、時代に適した産業構造へのスムーズな移行など、資本主義として重要な機能を回復強化できるのではないかと思います。
福祉理念のあり方、対象の捉え方次第で、(同じ財政規模あるいはそれ以下でも)高競争で高福祉な社会というのは実現可能なのかもしれない、と思わせてくれる本でした。

全部読むのは大変ですが、流し読みでも一読の価値はあるのでは、と思います。

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