アベノミクスは社会主義化?
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記事のタイトルには「ようやくわかった」とありますが、このような帰結になるのは、アベノミクスの始まりから明らかだったようにも思います。

金融操作による市場の誘導は、一時的な乱高下(ショック)を抑える手段としては有効でしょうが、長期的・構造的問題に適用するのには明らかに問題があると思います。
そのようなことをすれば、市場の適切な調整機能を崩し、適切な資源配分(人、金)や新陳代謝が行われなくなり全体の競争力は低下してしまいます。また、市場に誤ったシグナルを送り続けることで、企業自身も各事業の本当の収益力を見誤ることになり、長期的には無駄な投資や戦略の誤りを生むことになります。

日本社会の長期デフレと言われる状態は、性質的に一時的な景気の山谷といったものではなく、社会の競争力低下や産業の仕組みなど制度疲労による面が大きいのは明らかです。
このような状況に対して、強引な手段を使って一時的措置を続けるのは、「金融操作」という一般人には問題の見えにくいトリックを使ってバラマキによる票集めをしているようなもので、有権者を騙していると言ってもいいと思います。

もしかするとそれ(社会主義化)は日本人が望んでいることなのかもしれませんが、金融操作の裏で見えない形で進行しているというのは問題が大きいと思います。情報の非対称性を利用して有権者をうまく丸め込み、将来の成長力を犠牲にしながら自らの権力基盤を固めている、という見方もできるわけです。
最終的には、自由な市場ルールによる自動的な資源配分よりも、なるべく政府が大きな決定権を有し、有権者に恣意的に「権利を配る」形が、権力を維持し強めたい者にとっては好都合であり、中国やロシア等にみられる「強いリーダー」にも繋がる方向性だと思います。

もしも国民が本当に社会主義的な方向を目指したいのであれば、明確に政策検討し、財源的にも持続可能なルールとして確立していくべきで、政府の大判振る舞いによる恣意的・集権的な社会主義化は危険だと思います。



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