社会
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    隷属への道(wikipediaより) > wikipedia:隷属への道
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今日に至る民主主義発展の歩みが、簡潔に、かつ考えさせる語り口で書かれていて、とても読みやすく面白い。

戦後、民主主義は当然のこととして受け止められる世界になってきたと思いますが、一方で、経済のグローバル化とグローバルインバランス、成熟経済化、有権者の高齢化と世代ギャップの拡大、IT化の進展、などに伴って、一国単位での民主主義が必ずしも有効に機能しないケースも増え、世界的に既存政治への不信感が広がっている状況ではないかと思います。

このような状況にどう対処していったらいいのだろうか、簡単な答えは見つかりそうにないけれども、まずは今日当たり前と受け止めている「民主主義」はどのような経緯を経て現在の姿となったのか、そのあたりを知りたいと思い、この本を手に取ってみました。

民主主義について色々と考えさせてくれる本でもあり、読んでみて良かったと思います。



戦後からの政治の流れを中心に、日本社会の問題を整理している本です。

現在、「支持政党なし」が半分近くで、自民党一強と言いながらも消極的な支持であり、国民の多くが現在の政治に一種の諦めを感じているのではないかと思います。
世代間の大きな環境の差と不公平、そしてそれを解消する手段を持たない若者世代。
時代にあった舵取り不在のための産業競争力の低下と、それによる長時間労働の慢性化、貧困、格差の拡大。
政治が数の論理でしか動けないとすれば、数において優る高齢者のための社会になってしまうのは避けられません。

現在の日本は「大きな政府」対「小さな政府」といった、ごく当たり前の政策論争すら存在しません。
自民党も民進党も、大きな政府指向であり、方向は違えどバラマキを指向している点では同罪といえます。
なぜこのような社会になってしまったのか。我々に解決への道は与えられているのか。
このような現状に至るまでの流れを書いたのがこの本です。

解決方法は自分たちで考えるしかありませんが、まずは問題の所在と、戦う相手を明確にする意味でも、過去を整理しておくことは重要ではないかと思います。

だいぶ前に読んだ本なので、思い出しレビューになります。

かなりコンパクトに、日本社会の置かれた状況、問題点と、解決に必要なものとが書かれていたと思います。
特に、雇用の流動性について、この本を読んで重要性を再確認できた気がします。
解雇規制こそが日本社会を固定化し、新陳代謝を阻害しているのだという視点を与えてくれた本でもあり、その後の考え方に影響を受けたことは間違いありません。

とにかくコンパクトな文章で、本質的な問題へアプローチしているので、誰にでもわかりやすく、日本社会を考える上での良いフレームワークを与えてくれる本だと思います。

対談形式の本です。

一般的には、無色透明な無宗教社会と考えられている日本社会ですが、実は思考様式、行動様式に「宗教的」な制約が色濃いのだ、というのが両氏の主張です。

確かに、キリスト教の理解に立って日本社会を眺めると、「宗教的」と言っていい次元での風土/文化的規定が行き渡っていると感じられます。
それは、明文化された「宗教」との対比という形で初めて浮かび上がって来るものですが、深いところで我々の生活/行動を決定している「何か」が存在しています。
それをこの本では「日本教」と名付け、一神教社会との対比を通して、様々な角度から論じています。

現在日本の直面する様々な課題、なかなか解決の道筋が見えない問題なども、元を辿れば日本人特有の物の考え方、価値観などに由来しているのだ、ということが、二人の対談を通して、なんとなく見えてくる本になっています。

無くならない新卒一括採用、年功序列型社会、進まない働き方改革、世界最低レベルの女性の社会進出、などなど、なかなか物事が変化しない日本社会ですが、根本にある価値観レベルから見直さないと、なかなか解決の道筋も見えてこないのではないだろうか、と思われますね。

だいぶ前に読んだのでかなり忘れてしまいましたが、サッチャーによりイギリスはどうなったのか、イギリスの政治文化と共に読めて面白かったと記憶しています。
著者自体はだいぶ左寄りな感じで、サッチャーには批判的なトーンだけれど、そういうバイアスがかかっているからこそ、「生きた」論点が見えてきて面白いと思います。

最近になってようやく読んだのですが、もっと早く読んでおくべき本だったと思います。

よく言われる「小さな政府」は、一見すると福祉や社会保障が手薄になり、弱者に厳しい社会という負の面が目立ち、そのメリットが直感的には分かりにくいものです。
「新自由主義」もその流れの先にあるものですが、その意味するところ、根拠となる考え方、守ろうとしているものなどを、よく知らずにいました。

小泉改革で行われた「新自由主義」は、その意味では中途半端であり、企業側の都合に立った「小さな政府」だったため、負の側面ばかり(派遣の増加など)の結果となってしまい、「小さな政府」へのアレルギーを拡大させただけ、という意味で、罪の大きいものだったと思います。
(その後は、際限なきバラマキ政治の復活で、泥沼に入り込んでいます)

この本は、サッチャー、レーガンの改革をはじめとした「小さな政府」「新自由主義」の元となる思想であり、平易な言葉で、大きな政府の問題点をわかりやすく指摘しています。大きな政府的な政策を支持するとしても、少なくともこの考え方は踏まえておくべきではないか、と感じさせる、説得力のある文章です。

現代社会に生きる人すべての必読書と言ってもいいのではないかと思います。

「サッチャー時代のイギリス」に続いて読みました。
これもだいぶ前に読んだのでかなり忘れてしまったのですが、反対側(労働党側)の政権としてのブレア政権が、どのような立ち位置で政権を運営していったのか、これもイギリスの政治文化と共に読めて面白かったと記憶しています。

日本を無謀な大戦へと導いた主犯でもあり、
現在も日本社会を重苦しく覆う「空気」なるものの正体に鋭く迫った本です。

一言に要約するなら、日本では欧米社会での「神と個人の一対一関係(絶対性)」に当たるものが無い為、常に流動的な「空気」に支配されてしまうのだ、
といったことになると思いますが、同時に社会における「対象の相対化」が不十分な社会では、対象となる問題自体が絶対化されてしまい、解決できないというジレンマも抱えてしまうことが述べられています。
これはまさに現在の日本の状況を言い当てていると思います。

全体として少し言い回しが難しく、決して読みやすい本では無いため星3としましたが、読み終えれば何かしらの気づきを得られる本ではないかと思います。


確かにやばいんですよね、改正案。
自民党改正案をみて「何かおかしい」と思ったものの、憲法の知識はゼロだったので、本を買ってざっと読んでみました。
やっぱりおかしいと、よくわかりました(笑)

読書として質の高いもの、というわけではありませんが、現在の問題を知る上では良かったかな、と思える読書でした。

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