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読んで印象に残った本などをレビューします。

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おすすめ本(歴史・古典)       LV1
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- 「聖書」:本の中の本ですね。西洋文明はすべてここから起こったと言ってもよく、世界の歴史、思想、科学などはこの本から多大な影響を受けているので、あらゆる知識のベースとして必読ではないかと思います。

- 「アメリカのデモクラシー」:著者の思考が直感的かつ丁寧で、読んでいてとても気持ちのいい古典です。民主主義をどういう視線で見ればいいのか、思考の道具を与えてくれる本だと思います。

- 「日本人の知らないユダヤ人」:我々日本人が想像するのとは随分違った西洋型「信仰」のスタイルを垣間見ることができます。宗教理解への興味を与えてくれる本です。
(本文なし)
歴史       LV1 評価なし
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(サブノート)
- Link > amazon:世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)
- Link > amazon:戦後史をよみなおす――駿台予備学校「戦後日本史」講義録
(本文なし)
Link     amazon:世界史 上 (中公文庫 マ 10-3) ★★★★
世界史の大きな流れが見える。個々の出来事より、大きな流れをどう読み取るかに注力した世界史。
「なぜ」「どうして」そうなったか、を大事にしています。
細かい史実なら、いくらでも情報はあるので、大局的な流れがざっくり掴める本はありがたいですね。
教科書的な歴史だと、個別の事実の羅列になってしまい、関連や全体像を見失いがちなので、細部よりも全体を読めるこういう本は貴重ではないでしょうか。
個別の歴史については、また別の本を当たる必要があると思います。
Link     amazon:戦後史をよみなおす――駿台予備学校「戦後日本史」講義録 ★★★★
結構左寄りの記述で、ある程度補正しながら読む必要はあるかもしれませんが、戦後日本の歩みをざっと再確認したかった私には、とても面白く読めました。

特に、日本の民主化の過程で、アメリカ内での勢力間の力関係で大きく方針が変わり、現在の様々な状況に影響を残していること、護送船団や自民党政治、安倍政権につながる改憲派、などへのつながりも、読み取れたように思えます。
この辺りは、教科書などでもあまり突っ込んでいないので、自分である程度勉強しないといけないなと改めて感じました。

実は日本史があまり好きではなく、敬遠しがちなんですが、この本はどうにか読めた、という感じです。
私が日本史を敬遠しがちな理由は、現在の近代化した生活を、直接的に生み出してきた歴史ではないと思うからです。
日本史からは、日本が近代文明を如何に咀嚼し取入れてきたか、という流れは読み取れても、どのようにここ(現代社会)にたどり着いたのかについて、殆ど説明してくれないと思っているので、世界史の理解と比べて、どうしても優先順位が下になってしまっています。
一方で、現在の日本が、西洋文明と噛み合っていない部分、日本社会の特殊性などを理解する上では、どうしても日本史の理解が必要になってくると思います。
結局、なんかネガティブな感じになってしまい、敬遠しがちとなってしまうのですが、この本はその辺りを無理なく(ある程度)埋めてくれたと思います。

古典     amazon:戦後史をよみなおす――駿台予備学校「戦後日本史」講義録   LV1 評価なし
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(サブノート)
- Link > amazon:コモン・センス 他三篇 (岩波文庫 白 106-1)
    - 内容の整理(サブノート)
    - wiki > wikipedia:コモン・センス
- Link > amazon:アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫)
    - wiki > wikipedia:アメリカの民主政治
    - wiki > wikipedia:アレクシ・ド・トクヴィル
- Link > amazon:マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)
- Link > amazon:国富論 (1) (中公文庫)
- Link > amazon:学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)
(本文なし)
Link     amazon:コモン・センス 他三篇 (岩波文庫 白 106-1) ★★★★
実に簡易で平明な語り口で、まさに「誰にでも理解できる」言葉で書かれた主張、と言った感じの古典。

ペインの経歴からくるものであろうが、この分かり易さこそが広く民衆の心に訴え、大きな力となった理由だろう、ということは想像できる。
思想としての深さや厚みこそないが、実際的な行動を喚起したという意味で、とても興味深い本だと思う。
また当時のイギリスとの関係、アメリカの置かれた立場などが伝わってくる内容で、面白く読めた。

歴史本の記述を通して間接的に知る事と、(このような薄い本でも)直接的に当時の人々の考えを本で読む事では、理解の仕方が全く違うので、薄い古典というのは読んで損なし、といった感じがする。
Link     amazon:アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫) ★★★★★
まだ第1巻の(下)を読みかけの段階だけれど、そこまででのレビューを書きます。

ーーーーーー

さすが、これは素晴らしい古典ですね。
読みやすい、分かりやすい、考えさせられる。

現在、空気のように存在しているかのような民主主義が、どのような過程を経てここに至ったのか、また、それ以前とは何が変わったのか。
現代民主主義への大きな飛躍の舞台となったアメリカ社会の観察を通して、民主主義の本質というものについて考えさせてくれます。

また、著者の力量にも大いに感銘を受けました。
洞察力とその視野の広さ/深さは、高度になったはずの現代社会に生きる我々の思考レベルをはるかに凌駕しているのでは、と思います。

この本でアメリカ民主主義に興味を持つようになり、ネットでアメリカのニュース、政治討論番組、大統領選のディベートなどの動画を見るようになったほか、派生してアメリカ社会や政治の本、アメリカ独立まわりの古典を読んだりするようになりました。

現代社会への実験場としてのアメリカ社会の事情は、知れば知るほど興味深く、まだまだ興味は尽きません。
Link     amazon:マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫) ★★★
一度は読んでおかないと、と思って読んでみたが、その価値はあったと思う。
本の内容としては、議論が雑だと思うので星3つとしましたが、この本を読む価値については星5つです。
この薄い本を読む事で、歴史の一部を直に見てみるという体験ができるのだから、まず読んで損はないでしょう。

まず第一に、この本の内容が受け入れられる時代があったということに驚きます。今から見ると相当に過激な内容ですね。
人類始まって以来の貨幣経済を否定しようとしているけれど、その対処法が驚くほど大雑把でアナーキー。
人間の思考、良心、判断力を信用しすぎの感じがします。

着目した問題(労働者の搾取)自体は、その時代においては大きな問題だったのでしょう。今でも、資本主義にはその問題は付きまとっていますね。労働者は、個人としては解体され、社会の歯車となっていってしまう、と。

その問題提起自体は確かに重要と思うのだけれど、その原因を資本家(私有財産)の存在に求めるところに無理がある。資本家(私有財産)は自由経済を効果的に回すための一装置にすぎず、それを解体したから問題が解決するというものではなかろう、と思うのです。
そして解体後の統治は労働者自身が行う、というのだけれど、神でない人間が全てを見通せない以上、仕組みとして破綻していると思わざるを得ない。
まあこのあたりは、資本主義が現在まで変化と改善を重ねてきた結果、問題点が我々に耐えられるレベルまで小さくなったからこそ、そう言えるのかもしれませんが。

アダムスミスの「神の見えざる手」は、人間には把握しきれない、市場の細部を、貨幣(市場経済)というものが自動調整すると言っているわけだけれど、このメカニズムを破壊して、これに勝る判断を、誰か特定の人間なり団体なりができる、と考えるのは、明らかに間違いであろう。そんなに賢くて完璧で全てを知る人間がいるわけがない。あるいは居たと仮定しても、そこに恣意が入り込むことは避けられない。

公平な市場による調整と、恣意的な決定と、どちらが民主的で効果的か、考えるまでもないと思うのだが、資本主義の「問題」の方があまりに目立っていた時代なのであろう。
また、市場や経済、技術が今ほど複雑でなく、発展や成長の方向というものを、上に立つ意思決定者が一意に定めることができる、と考えることができるような時代でもあったのだろう。

いずれにしても、人間の考えるユートピアというものは危ない。自らの思考力を信用しすぎてはいけない。現在あるものは、やはり何らかの理由があってそうなっていることが多い。もちろん問題がある場合には正していく必要があるが、現在の大前提を一気に否定し、何か別のもので置き換えればうまくいくだろうというのは、やはり想像力の欠如ではと思える。

そのような意味で、私はベーシックインカムみたいな考え方にもどちらかといえば否定的です。
一見、わかりやすくて面白いものは、現実を地道に改善していく大変さと、伴って発生する問題点を忘れさせ、実際以上に惹きつけられるので、冷静にそのメリットと実現可能性を見なくてはいけないと思う。
大きな変革もいいけれどその前に、もっと適切に再分配するとか、現実的な対処でできる事が残されているならば、まずそれをしっかり検討すべきではないか、という事を忘れてはいけないと思います。

ただし、時代が変わっていくとき、新たな仕組みが必要になる事はあると思うので、新たな可能性の検討に対してオープンな気持ちでいたいとは思っています。

Link     amazon:自由論 (光文社古典新訳文庫) ★★★★★
(まだ読みかけですが素晴らしい本なので紹介します)

この本は、自由主義社会の考え方の原点を示してくれています。
なぜ、少数者が大事にされなくてはならないのか?すべての議論を尽さない限り、本当の真理とは呼べないから、反対論の自由こそが重要だ、と説明しています。言論の自由をはじめとした、現代社会の基礎をなしてきた考え方の由来を読み取ることができます。

日本では「自由」というものを「不自由」の反対程度に、なんとなく受け止めている人が多いのではと思いますが、自由主義社会を産み出してきた欧米社会では徹底して議論され、掘り下げられてきた結果としての積極的「自由」である、ということが読み取れる気がします。
この本を読むと、「自由」という言葉の意味が違って見えてくるかもしれません。
また、今の日本に欠けているものも、見えてきそうな気がしています。
Link     amazon:国富論 (1) (中公文庫) ★★★★
未だ途中で止まっているのだけど、とりあえずのレビューを書きます。

平易な言葉で分かりやすく著者の考えが述べられていて、面白い。
決して難しくはない。長いけど。

この時代にこれだけの思考ができたことに驚くし、昔と今の社会の変わったところ、変わらないところなども見えてきて面白い。
そしてとにかく、世界を俯瞰する思考の広さ、深さは圧巻。
さすがは経済学の祖、と思える本です。

それにしても、現在のように分業化、専門化、細分化、された社会で、これだけ全体を俯瞰して思考をまとめることのできる人間がいるだろうか、と考えさせられます。
ダーウィンの「種の起源」、トクヴィルの「アメリカのデモクラシー」などの本でも同じように感じます。

アダムスミス自身が、工業化が進むと社会、仕事が分解されて人間が愚かになると警告しているそうですが、まさにその通りになっているのではないか、と思わされます。
Link     amazon:学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書) 評価なし
だいぶ前に読んだので正確なレビューはできませんが、簡単な思い出しレビューを書きます。

とにかく読みやすく、あっという間に読める本でした。
ただ飯を食うために働くだけならアリでもやっている。人間は学び、考え、努力し、成長していかなければいけない、といった内容だったと思います。

しかし日々の糧を得るのにやっとであったであろうこの時代に学問の重要性を説き、それがベストセラーになったこと、またここで説かれている「学問」は、受験勉強のような実利目的、道具としての学問を超えて、ひろく教養を持ち、自ら深く考える、社会の構成員としての知性、道徳を求めていること、など、現代に生きる我々にもなかなか耳の痛い話だったという気がします。

日本には読んで損はない、と思えるような古典は少ないのではと思っているのですが、この本はその一冊に入るのではないでしょうか。
宗教     amazon:学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)   LV1 評価なし
12   sub - total :  0  (no unit)
(サブノート)
- Link > amazon:日本人の知らないユダヤ人
- Link > amazon:聖書の論理が世界を動かす (新潮選書)
- Link > Amazon.co.jp: 口語訳聖書 電子書籍: 日本聖書協会: 本
- Link > amazon:新約聖書 1 (文春新書 774)
- Link > amazon:キリスト者の自由・聖書への序言 (岩波文庫)
- Link > 宗教国家アメリカの「本能」を読め―日本企業と日本市場のどこがキリスト教に背いているのか (カッパ・ビジネス) | 並木 伸晃 |本 | 通販 | Amazon
- Link > 100人の聖書 | 篠原 元, 雑賀 信行 |本 | 通販 | Amazon
- Link > amazon:科学者は神を信じられるか―クォーク、カオスとキリスト教のはざまで (ブルーバックス)
- Link > amazon:科学者とキリスト教―ガリレイから現代まで (ブルーバックス)
- Link > amazon:宗教からよむ「アメリカ」 (講談社選書メチエ)
- Link > amazon:コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)
(本文なし)
Link     amazon:日本人の知らないユダヤ人 ★★★★
この本は、ユダヤ教に入信した日本人が、様々な体験を通して学んだその文化と様々な驚きについて教えてくれる本です。
宗教というものに対して日本人が抱きがちな固定観念(闇雲に信じる、論理的でない、など)を取り払ってくれる面白い本だと思います。

特に、ユダヤ人は子供の頃から聖書を題材に様々な議論をすることで、批判的思考力を養っているというのは、目からウロコという感じでした。
安息日は生産的な事は何もしてはならず、それが平日の活力になっているというのも面白いです。
家庭内で宗教と教育が分かち難く結びつき、それがユダヤ人の優秀さを生み出しているとしたら、宗教というものが(現世的な意味でも)いかにバカにならないか、と感じさせてくれます。

ところで「目からウロコ」は、使徒パウロが啓示を受けて改心した時に目からウロコのようなものが落ちた、という話(新約聖書)から来ていると、知ってました?
目からウロコではありませんか?(笑)
Link     amazon:聖書の論理が世界を動かす (新潮選書) ★★★★
かなり大きな視点で、キリスト教が西洋社会に及ぼしている影響を解説している本。

聖書の解釈に、いささか乱暴な部分や、独自の解釈もあるように思うが、社会との関わりを大きな視点で捉えているのはとても面白い。
もちろん聖書の理解があった上で読むのが良いが、そうでなくてもなかなか面白く読めるのではないだろうか。

自由・平等・博愛と民主主義の精神、科学的探究心、トップダウンの思考、大局観、広い空間意識、論理性、etc..西洋人や西洋社会に見られる様々な特徴が、聖書に由来すると主張する。
そんなことはないだろう、と思うかもしれないが、実際に聖書を読んで理解し、社会を眺めたときに、確かにこの本にあるように感じられてくるのだ。
不思議なことに、聖書を理解することで、自分の思考空間が大きく広がり、知的好奇心が増し、価値の軸が大きく変わった、と感じる。
この不思議なメカニズムを、この本では、なかなか巧みに分析してくれている。

いずれにしても、西洋文明・社会において、宗教は(多くの日本人が考えるように)社会の脇役ではなく、堂々たる主役であり、時代を進めてきたエンジンであり、長い歴史の中でそうあり続けてきた、という事実を軽く考えてはいけないと思うのである。
Link     Amazon.co.jp: 口語訳聖書 電子書籍: 日本聖書協会: 本 ★★★★★
これを読まずに何を読む、という古典中の古典ですね。

全て西洋の、思想、科学、社会制度、芸術、etc... はここから生まれたといっても過言でないと思います。

我々が現代社会に生きる上で、そのルーツを知ることはとても大切なこと。
しかし、日本はその前の社会とはあまり脈絡なく突然西洋化したので、その(現代社会の)発展の経緯や、その土台にある聖書の精神についてはけっこう他人事というか、関係ないと捉えてしまいがちと思います。

しかし、西洋に追いつけ追い越せの発展プロセスが一段落して、何処に向かって進めば良いのか、もう一度しっかり考え直さなければならない今、現代社会のルーツとなるもの(我々は何処から来たのか)をしっかり理解し、未来を考えていくことはとても重要だと思います。

その最初の一歩となるのが、聖書。
これを読まねば、世界のことがまるで分からない、それくらいの本だと思います。

「和魂洋才」もいいけれど、結局それでは魂の入っていない「西洋文明の抜け殻」を適当に借りてきて着ている、というレベルの、とても浅い理解に留まってしまい、応用のきかないものになってしまうと思うのです。日本人が本質論が苦手なのは、そもそもこの世界の本質から目を背け続けているから、かもしれません(?)

ちなみに、聖書を読むときは、最初から旧約聖書はちょっと重いので、まずは新約聖書から読むのが吉だと思います。興味が出たら旧約へ進むと面白く読めると思います。新約→旧約→新約の順で読むのが理想じゃないでしょうか。

私の場合は、新約→旧約→新約で2回目に新約を読んだときに、ようやく新約の本当の意味が理解できた(かな?)という感じです。
Link     amazon:新約聖書 1 (文春新書 774) ★★★★★
佐藤優の解説もなかなか面白いのだけど、それよりも、新書サイズで読みやすいので、新約を読むときはだいたいこれで読む、という感じになってます。

聖書を読むときは、最初から旧約聖書はちょっと重いので、まずは新約聖書から読むのが吉だと思います。興味が出たら旧約へ進むと面白く読めると思います。
Link     amazon:キリスト者の自由・聖書への序言 (岩波文庫) ★★★★
キリストを信じるということはどういうことなのか、ルターの明快な言葉を通して、読み取ることができます。
聖書の読み解き方を教えてくれる、という点で、新約聖書の副読本にしても良いくらいの本だと思います。

また、宗教改革→プロテスタントの拡がり→アメリカ独立→現代民主主義、へと繋がる歴史理解にも、必読の一冊ではないでしょうか。

もちろん、すでに聖書を読んでいることが大前提、という本ではありますが。
Link     宗教国家アメリカの「本能」を読め―日本企業と日本市場のどこがキリスト教に背いているのか (カッパ・ビジネス) | 並木 伸晃 |本 | 通販 | Amazon ★★★★
アメリカ人の生活に色濃く反映する宗教の影響について、日常生活的な目線から書いている本です。

日本人はキリスト教の理解がないので、欧米社会の様々な物事を「宗教的次元抜きに」、日本流に解釈していますが、その理解の仕方には限界があるのだと気づかせてくれる本ではないかと思います。
宗教的次元は、むしろ欧米社会の本質であり、それを除いての「理解」はあり得ないのだということ、
そしてその理解は、単に外交や交渉で向き合う場面で必要であるにとどまらず、
欧米型社会システムを全面的に取り入れている日本では、そのシステムの本質を理解する上での必須事項なのだ、と思われます。

少し前に書かれた本のようで、日本がアメリカと対等に渡り合っていた頃の(今ではあり得ない感覚の)話もいろいろ出てきます。
しかし、その本質は現在でも全く変わっていないと思われ、面白く読める本だと思います。

読みやすく面白い本で、一読の価値はあると思います。

Link     100人の聖書 | 篠原 元, 雑賀 信行 |本 | 通販 | Amazon
ちょっと本の帯がアレな感じなのですが。。(自己啓発本?出版の事情でしょうか)

内容は、歴史的人物や世界の著名人が、聖書をどのように捉え、生活の中で位置付けてきたか、各人の言葉やエピソードで紹介されている本です。
この本に登場する人達は、ほんの一部ですが、西洋文明や歴史の中で聖書がどのように捉えられてきたか、断片を伺うことができます。

実際には、歴史上の重要人物(哲学者、作家、思想家はもちろん、科学者や数学者、芸術家、政治家なども)の、殆どがこの本の登場人物のような熱心な信仰を持って道を拓いてきました。(日本であれば、野口英世やソニーの井深大などもそうですね)
その意味で、西洋文明(現代文明)は聖書の精神の上に建てられた、といっても良いと思います。
日本に暮らしているとなかなか文明や思想のルーツが見えないのですが、こういった本から多少は覗き見ることができるのではないかと思います。

明治以来100年以上に渡り、結果としての成果物(西洋文明)を模倣してきた日本においては、眼の前にある物事のルーツが見えないために、原因と結果の関係が分からず、一定以上、物事について掘り下げて考えることができません。(掘り下げようにも「原因」はこの国には無いのですから当然です)
結果として、物事の判断基準は全て「世界(西洋)ではどうなっているか」「世界の常識はどうか」という形で、西洋世界に丸投げしてしまっている状態です。
その価値判断がどこからきているのか(もちろん聖書からですが)、知らなければ同じ土俵で考えることすらできません。
また、ルーツを知らなければ、自分たちがこれからどういった世界を目指して進んでいくのか、についても考えることができません。

そのような思考停止の状態から脱却するためにも、今こそ日本人は聖書を学ぶべきではないかと思います。
Link     科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス) | 三田 一郎 |本 | 通販 | Amazon ★★★★
この本の冒頭で紹介されていますが、過去300年で大きな業績を残した科学者300人のうち、9割以上が神を信じていたという調査結果があるそうです。

日本では合理主義の塊のように捉えられている科学ですが、「普遍性」や「真理」の探求という点において、宗教と科学は表裏一体であり、科学は宗教との深いつながりの中で発展してきました。(両者は対立関係でなく、相互に補完する関係だと思います)

この本では、簡単な近代科学史の紹介の中で、科学者たちが、宗教とどのように向きあい、それぞれを自分の中でどう位置付けてきたのか、著者自身の体験も踏まえて紹介されています。

科学者達はおそらく、宇宙の深淵を覗き込む中で、神の存在について考えざるを得ないのではないかと思います。
むしろ現代社会においては科学を深く知らない一般人こそが、科学を盲信し、安直な宗教否定に走っているのではないか、という気がします。
Link     amazon:科学者は神を信じられるか―クォーク、カオスとキリスト教のはざまで (ブルーバックス) ★★★★
聖書を読んだ後、科学との関係を知りたかった私にとって、とても面白く読めた。

理論物理学者から聖職者へと転身した経歴も面白いが、科学と宗教の両立とその説明は、やや抽象的だけれど含蓄に富み、面白かった。

この宇宙の神秘を突き詰めれば、あまりの不思議さ、精巧さに、神という存在を考えずにはいられない、といった話はよく聞く気もするが、実際どこがどのように奇跡的なのか、(この本だけでもわからないのだが、)ヒントくらいは得られた気がする。

あとは量子論、相対論、数学理論、生物学、脳科学など、自然科学各分野の読書や勉強を通じて自分なりの世界観を捕まえていきたいものだ。

Link     amazon:科学者とキリスト教―ガリレイから現代まで (ブルーバックス) ★★★★
近代科学を創った人達が、信仰心による探求を原動力として、科学の世界を確立していった流れが見える本です。

ニュートンをはじめ近代科学の創始者たちは皆、信仰心を原動力として真理の探求を行ってきました。
その後の歴史においても、アインシュタインが「宗教なき科学は不具であり、科学なき宗教は盲目である」と言ったように、両者を補完する関係として共に発展してきた歴史があります。(歴史的な科学者、発明者の多くが人並み以上の信仰を持っています)

ところが、日本に暮らしていると、日本の歴史/社会に発展の歴史が刻まれていないので、そのあたりの関係が見えず、「人間社会には科学さえあれば十分である」といった錯覚に陥りがちです。

この本でも書かれていますが、真理は一つであり、それは公共のものである、というキリスト教からの精神が、真理探求の土壌を作り、議論する土壌を作り、情報を共有する土壌を作ってきたのだろうと思います。
その流れの先に、オープンソースと情報の共有からなる、ITの発展もあると考えています。
Link     amazon:宗教からよむ「アメリカ」 (講談社選書メチエ) ★★★★
アメリカ社会は原則的に政教分離だけれども、それは政治が特定の宗教の便宜を図ることはしない、ということであって、政治と宗教は密接に結びついています。
ユダヤ、キリスト教を中心とした「見えざる国教」が、移民国家であるアメリカの社会と政治を統合している、ということを、様々な例から紹介している本です。

後半は特殊宗派の説明が少し長く、流し読みをしてしまいましたが、前半の、アメリカ建国から歴史上重要な位置を占め続けてきた「宗教」についての説明は大変面白く、歴史の教科書からは読み取れない内容だと思います。
日本も戦後はアメリカの指導のもとに民主化を進めてきた関係上、アメリカの宗教から、間接的に大きな影響を受けていると思いますが、我々は日常あまり意識することはありません。
それはおそらく、欧米に学び、効率的に近代化を進める過程で、キリスト教の影響を徹底して排除してきた為政者の方針によるところが大きいでしょう。
しかし、意図的な分離によって、日本人から世界の歴史、現実を正しく知る機会をもまた奪ってきたのではないか、という気がします。
もしアメリカに宗教がなかった場合、世界はおそらく今とは全然違ったものになっていたのではないか、ということを考えると、その関係を知る意味は大きいと思います。
Link     amazon:コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1) ★★★★
まだ読み始めて少しなので中途半端になるけれど、とりあえずここまでのレビューを書きます。

これを読み始めて、イスラム教が、ユダヤ教、キリスト教と同じ神(アッラーとは単に呼び名であり、旧約聖書の神を指している)を信じること、コーランに加えて旧約聖書、新約聖書を聖典とし、その続きである、という位置付けがよく分かりました。

出だしから、旧約、新約聖書中の話がどんどん出てきて、それに対する批判的な話がいろいろ出てきます。
というか、ユダヤ教徒、キリスト教徒の「信じ方」が正しくない、キリストの後に出たマホメット(預言者)の言葉こそが神からの正しいメッセージなので、それに従って正しく生きるべきだ、というトーンです。

しかし内容は、正しくキリスト教を理解しているとは思えない批判も多く、マホメットは文字が読めなかったという話も本当かも、と思わせるものがあります。

いずれにしても、旧約、新約聖書を読んでいなければ意味がわからないはずの本なのですが、イスラム教徒の一体どれだけがその全部を読んでいるだろうかと考えると、イスラム教とは実は社会慣習の部分が大きい宗教であり、キリスト教徒のように聖書の内容を理解した上で信仰しているのとは異なるのではないか、という推測ができます。

ましてやISIS等テロ組織の構成員の多くは、コーランすらちゃんと読んでいないのではないでしょうか(勝手な推測ですが)。このような組織がイスラムを語り残虐行為を起こすのを見て、宗教による闘争である、と想像するのは愚かなことであると気づきます。

しかし一面においては、そのような行為を肯定するような内容が書かれていることも事実のようです。ちょっと注意のいる本ですね。もう少し読み進めて、自分なりの理解を得たいと思います。
none     amazon:コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)   LV1
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none (本文なし)
none     amazon:コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1) 0
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